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ぷらさん亭

Author:ぷらさん亭
バリ島で娘一人、息子一人、旦那とその両親+犬、猫、庭のジャングルにいる様々な動植物と一緒に暮らしています。
獅子座・A型

UBUDで宿を始めました。
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スンバヤン~お祈り~花々を頭上に掲げて祈る、世界一美しいお祈り。

 以前、記事を書かせて貰ったものの中で、これは残したいな、と思うものをここでUPしとくことにしました(^^)
バリ・ヒンドゥー教徒の、お祈りの仕方について、です。

 以下~

さて、これまでお伝えしてきた、バリ島の色んな儀礼・行事には、必ず人々の祈る姿がありました。今日はこの、「お祈り」の仕方について少し書いてみましょう。
バリ島の大半のバリ人は、バリ・ヒンドゥー教徒で、ここでいう「お祈り」とは、このバリ・ヒンドゥー教徒としての祈りのことです。お寺で祭礼が行われる際、観光客や在住の外国人も、きちんと正装してお祈りの用意をしていれば、一緒にお寺の境内でお祈りすることができます。お寺で捧げられる祈りは、宗教を超えた存在の「神」に対して捧げられるので、バリ・ヒンドゥー教徒しか入れない、ということはありません。しかし、やり方が「手を合わせるだけ」というのではないため、初めてだとちょっと戸惑うかもしれません。今日は、お祈りの仕方を、簡単にご紹介しましょう!

 お寺でお祈りする時は、僧りょの祈りを補佐する、宗教行事においての指導的立場の人の指示がありますので、基本的にはその人の言うとおりにすればいいのですが、バリ語の尊敬語が使われますので、言葉がわからないと、どう従っていいのかもわかりませんよね。
お祈りの流れは、だいたいのところ、手順が決まっていますので、基本的なところを覚えておけば、流れについてお祈りできると思います。

 お寺にいく前に、必ず沐浴して、正装します。そして、お祈りに使うお花、お線香を用意します。そのお花ですが、家のお庭でお花をとる時は、まだ枝についているものを摘み取ります。下に落ちてしまったり、虫食いのあるものや、枯れかかっているもの、墓場で摘んだものは使えません。白やクリーム色のジュプン(プルメリア)や、香りの高いチュンパカ、ジュンピリン(くちなし)、サンダット、ハイビスカス、ブーゲンビリア、バラなどが、よく使われます。
 もし、用意できれば、「クワンゲン」というものを準備します。これは神をシンボライズしたものと言われ、椰子の葉で作ったお飾り、ポロサン、幾種類かの花々、ペス・ボロン(中国の銅銭)もしくはコインのお金をバナナの葉でくるんだものです。
お祈りに使われる花々は、私達の心の美しさを表すものです。私達の祈りと願いを象徴したものですので、必ず、新しくて清浄なものでなければなりません。
これらのものを、銀の盆などに乗せ、あるいはもっと簡素に、バナナの葉で包んで、お線香、マッチなどと一緒に持っていきます。

 お寺の境内では、儀礼が続き、人々が捧げ持ってきたお供え物に祈祷が施され、お祈り待ちの人々でぎっしり埋っています。お祈りが始まる、少し前にお線香に火を点します。これは、周りの人々を見ていれば、タイミングが分かると思います。人が隙間なく並んでいますので、お線香の火が人にあたらないように注意しましょう!

 お祈りをするときは正座です。男性はあぐらを組みますが、女性は必ず正座します。
そのお祭りで、その日一番最初のお祈りの場合、全員で「トリ・サンディオ」というマントラを唱えます。この、トリ・サンディオについては、後でもう少し詳しく紹介しますね!

 さて、いよいよお祈りが始まります。
お祈りの最初と最後には、何も持たずに両手だけを合わせる「sembah puyung(スンバ・プユン)」があります。これは手を額のところで合わせます。
それでは、順を追ってお祈りの仕方を説明しますね。
① sembah puyun(両手の間に、お線香の煙を挟むようにします)
手を合わせる前に、お線香の煙に手をかざし、清めてから手を合わせます。
② SangHyang・Adityaとしてのサンヒャン・ウィディ(唯一最高神)への祈り
サンヒャン・スリヤ(太陽神)への祈りです。白い色の花を両手の指先にはさんで額の高さに掲げます。掲げる前に花を線香の煙にかざします。
③ イスタデワタへの祈り
その日や場所によって具現化された神への祈り、例えば、ブラフマ、ウィシュヌ、イスワラ、サラスワティ、ガネーシャなどの神々へ、あるいは満月や新月の時にはシワ神への祈りとなりますので、マントラもその時により変わります。
このときには、クワンゲン(なければ3種類の花を取り混ぜて使いましょう。ひとつの花でも構いません。)を額の高さに掲げて祈ります。掲げる前にクワンゲンを線香の煙にかざします。
④ 神からのめぐみに対する感謝の祈り
クワンゲンを掲げて祈ります。掲げる前にクワンゲンを線香の煙にかざします。
⑤ Sembah puyung
空手を線香の煙にかざしてから、額の高さに掲げて両手を合わせて祈ります。
各お祈りの時には、僧りょがマントラを唱える間、鈴が鳴らされつづけますので、鈴が鳴っている間、手を頭上に掲げて一緒に祈ります。
祈りの手順はだいたいこのような感じですが、随時、何の神に祈るのか、説明がありますので、それに従えばよいのです。たとえば、「プユン」と聞えれば空手を合わせて祈る、最初と最後の祈りですし、「クワンギ」と聞えたら、クワンゲンを掲げて祈ればよいのですね!
余談ですが、ものすごく色んな神様に祈りをささげる時があります。何回祈るねん!?というくらい、中々終らず、持ってきたお花が無くなりそうになってしまったり。そんなときのために、お花を半分にちぎって(節約して)祈ってもよいのです。重要なのは、まだ使っていない花びらを手にはさんでいることなのですね!
クワンゲンも、たいがい一人二つづつしか作らないことが多いので、何回も「クワンギ」と聞えると、人々の間に軽いどよめきが起こります(笑)。そんな時は、先に使ったクワンゲンから、ペス・ボロン(穴の空いた中国古銭)を取り出して、それを何種類かの花びらと一緒に指に挟んで、祈りに使います。即席クワンゲン、という訳です。

 しかし、実際にはそこまでお花の配分にこだわる必要はないようです。
「何も捧げるものがなくてもよい。あなたの心の中の、いつまでも枯れることのない、香り高い花を神に捧げよう」というわけです。
さて、お祈りが終ると、次にティルタ(聖水)とビジョ(チュンダナを浸した水に漬けられたお米)を戴きます。僧りょが前に来る前に、危ないのでお線香を少しずらしましょう。

①僧りょ(もしくはその奥さん)が前に来たら、両手を顔の横の高さに開いて頭を下げ、清めのティルタをふりかけてもらいます。ティルタがかけられる時は、必ずこのような姿勢をとります。
②次にティルタ(聖水)を戴きます。右手を左手の上に重ね、ティルタを受け、口に含みます(飲みます)。これを3回繰り返し、
③4回目は、そのまま顔を洗うようにします。顔を拭う感じです。
④その後、またティルタを頭上に降りかけてもらいます(両手は開いて手のひらは上に向ける)。
⑤そのあと、差し出されたビジョ(お米)を適量右手で取り、左手の手のひらに移し変えます。
⑥そして、右手で3粒を眉と眉の間に貼り付け、3粒の形のきれいな(欠けたり割れたり潰れたりしていないもの)米粒を口に入れ、噛まずに丸飲みします。残りの3粒は胸の部分(のどと胸の間くらい)に貼り付けます。
実際にはきちんと3粒づつ数えるわけではないので、適量を眉間と胸元に貼り付けるのですが、上手くくっつかずに落ちてしまっても問題ありません。
このビジョ(米)は、「神からの恵」のシンボルです。また私達一人ひとりの中にある神聖さ=神が成長し、魂の質が向上するように、という願いを表してもいます。

 さて、バリ・ヒンドゥー教は、「アガマ・ティルタ(聖水教)」と呼ばれるくらい、聖水・ティルタの果たす役割は重要です。
人間は水無しでは生きていけません。この水はまた、自分自身を浄化する清めの水であり、幸福な人生を意味する、あの「アムリタ」のことでもあります。
聖水を頭、口、顔と、3回ずつ戴くことの意味は、「思考・言葉・行動」を浄化する、ということだそうです。聖水を戴くことで、常に、良いことを考え、よい言葉を使い、よい行いが出来るようにお導きください、ということを心がけるのです。
また、ティルタを戴く前に、祈りに使った花を耳の上にはさみますが、これはいつもいつも善いことが聞けますように、という意味があるそうです。

 そして、お線香。お線香とともに、火を点すという行為が重要なのですが、火の神はアグニ神であり、アグニ神は人間の行いについて目撃し証言する神であります。お線香に火を点すと言うことは、神の立会いの元に祈る、という意味なのです。

 ここで、余談ですが、手の合わせ方について。
お祈りの仕方とは違うのですが、ちょっと面白いのでご紹介しますね。

 サン・ヒャン・ウィディ(唯一最高神)に対する時は、手を額のところで合わせ、指先は頭の大泉門にくるようにピンと伸ばします。これが、お寺でのお祈りの時の手の合せ方です。
 デワタ(デワ)神々に対する時は指先が眉間に来るように手を合わせます。
 先祖神に対する時は、指先が、鼻先に来るように手を合わせます。
 人に対して手を合わせるときは、みぞおちのところで手を合わせます。
 悪霊などの地霊神に手を合わせるときは、みぞおちのところで手を合わせますが、指先は下に向けます。

 さて、先ほど少し触れましたが、「Tri Sandhya-トリ・サンディオ-」について少しご紹介しましょう。
トリ・サンディオとは、バリ・ヒンドゥー教徒が一日3回、必ず行わなければならないお祈りのことです。「必ず」と書きましたが、実際に一日3回これを行っているバリ人は、とても少ないようです。イスラム教徒が一日5回、ショラットという祈りを行うのと同じように、本来はバリのヒンドゥー教徒も、毎日このトリ・サンディオを行うのがよい、とされています。最近、各TV局では、毎日、朝・昼・夕方・夜に、このトリ・サンディオのビデオクリップを流しています。

 トリ・サンディオはリグ・ヴェーダ、ナラヤナ・ウパニシャッド、シワスタヴァ、クサママハデワストゥッティから抜粋された6つのマントラから成っています。バリ人は幼稚園に行きだすようになると、少しづつこれを学校で習います。毎朝トリ・サンディオを行っている学校もありますし、満月・新月・カジャンクリウォンといった日には、全校生徒で行うようです。
という訳で、バリ人ならば、そして義務教育を終えているものなら全て、トリ・サンディオを暗記しているはずで、しかも毎日3回づつ日課として祈っているなら、もちろん完璧に、これらのマントラを諳んじているはずなのですが、実際のところ、ちゃんと覚えていないバリ人が多いようです。
 というのも、バリ・ヒンドゥー教が、今日のように体系化されたのは、比較的最近の話で、年配の人々などは、トリ・サンディオのことも、ましてや意味も、まったく知らない人も少なくないのです。トリ・サンディオが今のように、みんなに原典のサンスクリット語で唱えられるようになったのも、うちの旦那さんが小学校くらいのころからだそうです。昔は、サンスクリット語の聖なるマントラを唱えることは、最高位の僧りょ、プダンダにしか許されていないことでした。
 私に最初にトリ・サンディオを教えてくれたのは旦那さんですが、この間、幼稚園で習ってきた娘と一緒にマントラを唱えてみたところ、旦那さんは娘よりも覚えていませんでした。一体、どういうことでしょう。本人は、学校で毎日やっていたときは完璧だった、と言い訳をしていましたが・・・。
 トリ・サンディオの一番最初のマントラは、「ガヤトリー」というマントラです。ガヤトリー・マントラはバリに限らず全てのヒンドゥー教徒にとって最も神聖なものとされ、聖典「ヴェーダ」の全てのマントラの精髄が凝縮されたものだそうです。これはインドのヒンドゥー教でも同じで、プスパも以前、インド関連の書物を読み漁っていたときに、何度も目にしたことがあります。
インドから入ってきたのか、音楽のついた歌になってガヤトリーマントラだけを何回もリピートしたカセットテープが売られており、プスパが子供を産んだ時、バリ人の義理の姉が、「これを毎日、赤ちゃんに聞かせるといいよ」と、そのカセットをくれました。そういえば出産した産院で、決まった時間に同じカセットのガヤトリーの歌が流されていたことも思い出します。とにかく、これさえ唱えておけばOK、という、最強のマントラだそうです。
ガヤトリーとは、別名サヴィトリー、インスピレーションを与えてくれ、常に善行を行う後押しをしてくれる女神です。また、ガヤトリーは、学問・文化・善行の女神・サラスワティーのことでもあります。そして、ガヤトリーは太陽の別名でもあります。ですので、特に夜明け、太陽が新しく顔を出す朝一番の時間帯が、ガヤトリーマントラを唱えて祈るのに最適の時間と言われ、次に太陽が真上に来る正午、その次が太陽が沈む夕刻、と一日3回の祈りの時間が決まっているのです。
そして、もちろん、祈りは何回も何回も、回数が多いほどよいので、お寺で祈る前にトリ・サンディオを行うことはとても有効なのです。
トリ・サンディオを行うのは、お寺、家寺、山頂、丘の頂き、湧水のある場所、海岸、川の合流地点、などなど、ヒンドゥー教徒にとって神聖な場所で行うのがよい、とされ、身内に死者が出た場合、女性の生理中などは、避けたほうがよいとされています。
それでは、ちょっとマニアックですが、トリ・サンディオの正しい行い方をご紹介します。

1、 アーサナ(背骨をまっすぐにするように意識し、きちんと座る。)
2、 プラーナヤマ(手は膝に上に向けて置く。大きく息を吸い、ゆっくりと吐き出し、呼吸を整える)
3、 左右の親指は合せたまま、右手を上に。右手を清める。マントラは、om,kara suddhamam swaha
4、 親指は離さず、左手を上に組み替える。不浄の手である左手を清める。マントラは、om,kara ati suddhamam swaha
5、 両手の親指と右手の人差し指を合せ、左手で右手を包むような形。この3本の合わされた指は、神聖なる音、「AUM」を表している。ここから祈りの始まりです。

最後に、ガヤトリーマントラをご紹介して終りましょう。サンスクリット原音をアルファベットで表記したもの、インドネシア語を訳したもの、最後に、サイババによる訳を載せておきます。

Om om om
Bhur bhuvah svah
Tat savitur varenyam
Bhargo devasya dhimahi
Dhiyo yo nah pracodayat
OM聖なる原初の音、神の御名
大地(地球)、空(大気)、天、全てに偏在する
最高に崇められる、究極の実在である「それ」、女神サヴィトリー
光り輝く神に
意識を集中させ、想いを馳せる
神が我らに英知を恵み与えたまわんことを

~神聖なる神、全世界・すべてのものに偏在する女神、あなたに祈りを捧げます。我々の知性を照らし、無知を取り払ってください。輝く太陽があらゆる暗闇を払うように。我々の知性を浄め、輝かせたまえ。~

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